2023年4月29日から5月1日まで淘宝クリエイターフェス(淘宝造物節)が重慶・杭州・深圳など中国各地の10都市で開催された。2016年に始まった淘宝クリエイターフェスはファッション、インテリア、アート、テクノロジーなど様々な分野のクリエイターが参加し、オリジナル作品を展示・販売するイベント。過去には2020年に杭州、西安、成都、武漢の4都市を巡回する形で開催されたこともあったが、それ以外の年は基本的に1つの都市で開催されてきた。
しかし2023年は、コロナ規制が解除されたこともあり、一気に10都市で同時開催される運びになり注目を集めた。それに加え、これまでは大型展示会場を貸し切って開催されてきたのに対し、今年は各都市の中心繁華街を会場に選んだことも特徴的だ。5月頭の長期休暇に合わせて観光客が集まるエリアで開催された今年のイベントには例年とは異なる客層の訪問も多かったようだ。
重慶では地元政府からのサポートを受けて、人気ショッピングエリア観音橋が会場に選ばれた。潮玩(コレクション玩具)、二次元、スポーツアウトドアなどトレンド分野の商品が展示されたほか、AIロリータショー、ファッションショーなどのイベントも実施された。展示商品には『ペット用スケートボード』、『スポーティーな漢服』、『物理的かつ非物理的な盲盒』などユニークな商品が並んだ。
毎年淘宝クリエイターフェスでは、このような一風変わった商品の初披露が注目の的になっている。杭州会場では『蟻ソース添えの刺身』、『アカデミー賞晩餐会レベルのキャビア』、『12星座のおじさん人形』などユニークなネーミングの商品が来場者の足を止めた。
深セン会場では、未来のショッピングを体験できる『AI BUY』が注目を集めた。来場者が頭の中で空想する商品を伝えると、『AI BUY』は数秒のうちにその商品イメージを生成する。『ゴッホのグラス』、『翼の生えたスケートボード』、『100年後に人気のランドセル』などの商品が来場者とAIの共同作業でデザインされた。
今年の淘宝クリエイターフェスには、マグロを使ったポテトチップスなどの開発で知られている食品メーカー創業者の孫思達氏、有名シンガーソングライター周杰倫のパソコンを改造したことで知名度を高めたパソコン改造師の邢凱氏など有名クリエイターも参加した。またこれらの若い世代のクリエイターだけではなく、刺繍工芸ブランド『王的手創』の創始者である王丹慶氏、貴州省の蝋染め『寧航蝋染』の寧曼麗氏、山東省の『濰坊凧』の郭洪利氏など、伝統工芸を継承する職人達も来場し、磨き抜かれた技を披露した。
さらに各会場では出展者が自分の展示をスマートフォンでライブ配信している様子が数多く見られた。そのため、会場に足を運べない人たちも、淘宝で『雲逛造物節(フェスクラウド参観)』と検索すると、会場の様子をリアルタイムで楽しむことができた。
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