4月19日、百度は北京で百度地図のグローバル化戦略発表会を行った。百度地図は現在、アジア・オセアニアにある18ヵ国(香港・マカオ・台湾を含む)で地図サービスを提供しているが、2016年末までに150ヵ国にサービスを拡大する計画であることが発表された。百度総裁の張亜勤氏は、百度地図の中国外へのサービス拡大は、百度が掲げる3つの戦略「モバイル化・クラウド化・ グローバル化」を象徴しており、百度が今後その他のサービスにおいてもグローバル化を進める上で重要な一歩になる、と語った。
百度の戦略では、百度地図のグローバル化は3つの段階を経る。第1段階は約1億人いる中国人海外旅行者に向けて地図サービスを提供すること。第2段階はターゲットとする市場を絞って、その国の言語で地図サービスを提供すること。第3段階として、世界中で認知されるブランドになること。2020年までにユーザーの半数が国外からのアクセスとなり、本当の意味で「世界地図」になることを目標に掲げているという。
百度地図のグローバル化は2014年に始まった。まず2014年11月、香港・マカオ・台湾の3地域でサービスを開始した。グローバル化を加速するために、2016年2月の春節前に日本、韓国、タイ、シンガポールの4ヵ国で、4月の清明節前にマレーシア、モルディブ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、インドネシア、スリランカ、ネパール、インド、オーストラリア、ニュージーランドの11ヵ国でサービスを開始した。
百度地図事業部総裁の李東旻氏は次のように話した。「百度地図は今後も地図データの充実に注力していきます。自社で培ってきた情報収集技術だけではなく、ユーザーの投稿による情報も取り入れていきます。それと同時に百度地図は多言語化を進め、様々な言語での検索を可能にします。」
百度地図は基本的な地図データを提供する以外に、それぞれの場所で地図が利用される状況に応じて様々なサービスを導入している。例えば、中国人観光客が増えている日本では、レストランの予約や小売店の割引クーポン取得といった機能を充実させている。香港や台湾ではGoogleストリートビューと同様の「都市探索」という機能を提供している。
生活情報サービスにおいては、中国内で成功したビジネスモデルを国外でも実行していくことが紹介された。香港・マカオ・台湾では既に携程やQunarのホテル予約サービスが百度地図に組み込まれている。近い将来、百度地図はグローバル展開しているオンライン旅行代理店と提携して、サービスに組み込む予定だという。
既にグローバル企業や現地企業との提携が進んでいるケースもある。台湾ではレストラン予約サービスのEZTABLEと、タイで現地の大手ショッピングセンターやドラッグストアと提携を果たしている。ブラジルでは2014年に共同購入サービスPeixe Urbanoを買収した。その後半年間でPeixe Urbanoの市場シェアは55%増加し、ブラジルで最大の共同購入サービスになった。
中国内では約70%という圧倒的な市場シェアを誇る百度地図だが、その経験を国外でも活かすことができるかどうかが注目される。
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