マイクロソフトは2016年6月7日をもって同社が運営するポータルサイト、MSN中国を閉鎖することを発表した。現在MSN中国はポータルサイトとしてニュースや生活情報の配信をするとともに、中国語の検索エンジンBing(必応)を提供している。
Googleが2010年に中国大陸市場からの撤退を決めた際、マイクロソフトはその恩恵を最も大きく受けるのは同社の検索エンジンであるBingだと判断した。そのゆえに中国監督部門の要求を受け入れ、Bingを引き続き中国大陸で運営することを決定したのだ。
しかしBingは常に中国最大の検索エンジンである百度に追いつくことができなかった。Googleが中国市場から撤退したときに百度は既に中国市場の70%以上のシェアを占め、市場リーダーの地位を確立していた。昨年の中国の検索エンジン市場でBingのシェアは2%にも満たなかった。中国語でBingの発音が「病」と似ていることも低調なシェアの大きな原因になったとまことしやかに囁かれている。それに対し百度は検索エンジンの圧倒的なシェアを利用して、オンライン地図やクラウドサーバー、ポータルサイト、O2Oサービスなどの巨大なエコシステムを築き上げてきた。
MSN中国はポータルサイトサイトとしても、ライバルの中国企業に後塵を拝した。中国最大のポータルサイトであるテンセントQQもゲームプラットフォーム、ソーシャルネットワーク、メディアサイトなどの巨大なエコシステムを築き上げ、他社の追随を許さなかった。中国国内でテンセントQQを追いかける新浪や捜狐などのポータルサイトは中国内のアクセスランキングでトップ10以内に入っているが、MSN中国はトップ100に入ることすらできなかった。
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