2025年1月21日、淘宝(タオバオ)はユーザーから新年の願い事を集めるイベントを開催した。1月23日午前0時の時点で、新年の願い事を投稿したユーザーは6000万人を超え、願い事のトップ5は「健康」、「お金を稼ぐ事」、「昇進昇給」、「受験合格」、「幸運が続く事」だった。このイベントに参加したユーザーのうち1995年以降生まれのZ世代が全体の6割以上を占めた。その一方で55歳以上の高齢者層も200万人以上が参加した。
「健康」に関する願い事は、2位の「お金を稼ぐ事」を抑えて全体のトップに立った。単純に自分や家族、友人の健康を願うというものだけではなく、日々の生活の中で感じる健康に関する悩みも目立った。若者世代も頭髪に関する悩みを感じ始めているようで、約18万人が薄毛改善に関する願い事を投稿した。また睡眠に関する悩みは全世代共通で、260万人以上が「ぐっすり眠りたい」という切実な願いを寄せた。
大変興味深いのは、これほど多くの若者が参加したにも関わらず、願い事のトップ5に「恋愛」に関連するものがひとつも含まれていなかったことだ。「恋愛」に関する願い事は、1位の「健康」に関する願い事と比べて1000万件近くも少なかった。しかし最近の中国の若者が恋愛に対する興味を失ったのかというと、決してそうではない。データを紐解くと、Z世代特有の恋愛事情が見えてくる。
恋愛に関する願い事の中では「CRUSH」というキーワードが頻出した。「CRUSH」というのは若者の間で流行しているネットスラングで、自分が心からときめく相手のことを指す。「CRUSHが私を誘ってくれますように」、「CRUSHと両想いになれますように」、「CRUSHを口説き落としたい」などの願い事が多く寄せられたが、これらにはZ世代の恋愛観が表れている。一目惚れでも、片思いでも、太く短くても、心からときめく相手と燃えるような恋愛したい若者が多いのだ。
「自分の恋愛は不要だが、『磕CP』は必要」という願い事も数多く投稿された。「磕CP」とはドラマやアニメに登場するカップルの恋愛模様を鑑賞することを意味するが、一部の若者はこのような非現実世界の恋愛を自分事として楽しんでいる。これまでに4万2590人の若者が「磕CP」を含む願い事を投稿している。現実的な制約の多い自分の恋愛よりも、甘くとろけるようなフィクションの世界の恋愛によって癒されたい若者も少なくないようだ。
仕事や学業に関する願い事では「上岸」というキーワードが目立った。「上岸」とは就職先が決まったり、試験に合格したり、大きな関門をクリアすることを指す。22万人以上が「上岸」を含む願い事を投稿した。「上岸」の対象に目を向けると、公務員試験に合格することがトップに立ち、大学院試験合格がそれに続いた。資格試験では司法試験よりも公認会計士試験の方が圧倒的に人気が高かった。
労働者にとっても「上岸」というのは切実な願いだ。44万人以上が「土日休みの仕事をしたい」、14万人以上が「プロジェクトが成功して欲しい」という願い事を投稿した。「起業」に関する願い事は約82000件寄せられたが、投稿者のうちZ世代の若者が63%を占めた。「小さなお店を開いて小銭を稼ぐ」という願い事に代表されるように、好きなことをして生きていくライフスタイルの実現も一種の「上岸」なのである。
それ以外には「広い世界を自分の目で見てみたい」という旅行に関する願い事が約113万件投稿された。旅行先としては南極とアイスランドという寒冷の極地が上位に並んだ。ユニークなところでは「胖東来が全国各地に出店しますように」や「『宮廷の諍い女』の残り14話を全て公開してほしい」と願った人もいた。
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