2024年3月20日、例年より1週間ほど遅れて西湖龍井茶の茶摘みが始まった。3月と4月は中国で新茶が最も多く市場に出回る季節だ。今年も2月末から四川宜賓茶、雲南瀾滄プーアル茶、蘇州洞庭山碧螺春などの摘採が始まり、その後、西湖龍井茶や福鼎白茶、信陽毛尖などのブランド茶が続々と出回り始めている。
今回淘宝が発表した消費動向データによると3月に入ってから茶葉の検索量は急速に伸び始め、前年比300%以上の増加にまで至った。『90後』と呼ばれる20代30代が新茶購入の中心層になっていて、この世代は血流を良くするなど、健康促進の目的でお茶を飲むことが多いようだ。
品種別に見ると、鳳凰単叢や漳平水仙などニッチな茶葉の人気が伸びている。漳平水仙の売上は前年比で200%近く増加したという。これらの品種は若い世代に人気のあるミルクティーの茶葉として利用されること多い。さらに最近はお茶本来の風味を楽しむためにミルクの量を抑えたミルクティーがトレンドになっており、それが鳳凰単叢や漳平水仙などの人気上昇に拍車をかけている。信陽毛尖や竹葉青などの検索量増加も顕著で、龍井茶や白茶、碧螺春などの伝統的なブランド茶を上回る勢いを見せている。
茶葉の購入方法に目を向けると、20代30代とその上の世代とでは大きく異なる。上の世代では一度にまとめて多くの茶葉を購入し、自宅に備蓄しておくことが一般的だった。しかし20代30代には毎回必要な分の茶葉を購入する人が多く、茶葉を備蓄する習慣を持つ人は少ないようだ。そのため少量ずつ包装された茶葉の人気が高まっており、これまで餅茶のような圧縮固形で販売されることの多かった福鼎白茶や雲南プーアル茶なども、3g~8gの個別包装での販売を開始した。
茶葉のパッケージにも大きな変化が起きている。従来は豪華なギフトパッケージが好まれる傾向にあったが、20代30代は簡素なエコパッケージを好む。淘宝が発表した消費動向データによると、茶葉パッケージの平均重量は2021年から178%も減少している。天猫の龍井茶ショップの担当者によると、毎年全商品ラインアップのうち、およそ20%の商品のパッケージを見直しているという。
さらに20代30代の間ではショート動画などを見てお茶に関する知識を得るのが一般的になっている。そのため利用する茶具やお茶を煮出す時の温度など細かいこだわりを持つ人も多い。さらにお茶に様々なフレーバーを加えて自分なりにアレンジする愛好家も少なくない。たとえば白茶には陳皮や菊花を、龍井茶には桂花(キンモクセイ)や桜花を入れるのが人気の組み合わせのようだ。
近年注目を集めているライブコマースも若い世代にお茶を販売するための重要なチャンネルになっている。淘宝の消費動向データによると、ライブコマースで茶葉を販売する淘宝ショップ数は3月に入ってから急上昇し、2月と比べ45%増の1,000店舗以上になった。茶葉の原産地からのライブ配信を行うショップも多く、美しい農村の茶畑とお茶から湧き上がる湯気の組み合わせは多くの視聴者を引き付けたようだ。
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