2015年も残りわずか20日だが、百度が今年中に自動運転車プロジェクトについてなんらかの発表を行うかもしれないと噂されている。中国初の自動運転車プロジェクトの詳細が明らかになる日もそう遠くない。
百度が北京の公道(五環路)で行ってきた試験運転の結果は良好で、既に百度の自動運転技術は市場に発表する準備が整っている。今年4月には百度CEOの李彦宏氏が自動運転車プロジェクトについて年内に発表すると話していた。
百度の自動運転車プロジェクトでは、車両を自社で製造するのではなく、外部の自動車メーカーと提携して車両の設計をしている。今回の試験運転で利用したのはBMW製のセダン車である。このプロジェクトで百度は自動運転の大脳にあたる部分を担当していて「百度自動車大脳」と呼ばれている。そこには百度がこれまで培ってきた3次元地図、ビッグデータ、人工知能などの技術が幅広く応用されている。
自動運転車が道路を走るには、まず所在位置を定め、外部の環境データを処理をして、どのように運転するかを決定する。これには精密な3次元地図データや環境感知技術が必要で、車両に搭載されたカメラで周りの環境を撮影し、リアルタイムで周辺の車や道路状況などを識別する。これらの情報をコンピューターで処理をして、ビッグデータに基づく学習履歴から、どのように運転するかを決定する。
百度はこれらの領域において豊富な技術的蓄積がある。百度は2010年に3次元地図のサービスを開始している。自動運転技術の研究を初めてからは、3次元地図のデータ収集により一層力を入れてきた。環境感知技術においても百度は世界でもトップレベルにあり、今年5月にImageNetが行った画像識別技術のテストではMicrosoftとGoogleを上回る結果を出している。
国外に目を向けるとGoogleが自動運転の分野でリードをしているが、百度が目指している自動運転はGoogleとは方向性が少し異なる。百度は全面的な自動運転の実現を目指しているが、ハンドルは据え置くなど現行の自動車機能を残した上での自動運転化を目指している。それに対しGoogleは車両からハンドルを除去するなど車両自体を基礎から作り直すことを計画している。この点においてもしかしたら百度の自動運転車のほうがGoogleよりも早く商用化を実現する可能性もある。
今回百度とBMWが協力して開発した車両は中国国内で唯一ISO26262の自動運転項目を通過したものだ。ISO26262は自動車の安全に関する国際標準である。
百度は現在自動運転事業部の設立を準備していて、既に内部招聘を始めている。自動運転プロジェクト責任者の林元慶氏によると、2016年年初までに同プロジェクトに関わる技術者は百人を超える予定だという。
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