天猫や京東など中国の大手ECサイトで開催された618セールが正式に幕を下ろした。今回のセールの統計データを見ると、中国のテレビ市場はゆるやかな回復基調にあるが、以前のような勢いを取り戻すまでには至っていない。そんな決して追い風とはいえない環境の中で、618セール中に売上を急増させたブランドがある。
そのブランドはTCLだ。618セール期間中、テレビの売上高ランキングでTCLはトップに立った。またミニLEDテレビ、QLEDテレビ、75インチ超大画面テレビ、98インチ超大画面テレビの4ジャンルでも売上高および販売台数でトップの成績を収めた。
TCLの大躍進を分析すると、購入したユーザーからの口コミが高まった結果であることがわかる。いくつかの新モデルに寄せられた口コミを例に取ると、ユーザーの高評価率はおおむね99%前後を保ち、一部のモデルでは100%に達することもある。各モデルは数十万台以上販売されており、そんな中で99%以上の高評価を維持することは容易なことではない。
近年TCLは技術力をブランド発展の軸に据えて、テレビの大画面化と高画質化を推進している。具体的には、MiniLED技術とQLED量子ドット技術の研究開発に力を入れている。またその過程でこの二つの技術の利点を組み合わせて誕生したQD-MiniLED技術は、より高精細で広色域な描画が可能で、テレビ画質の大幅な改善をもたらした。
さらに、TCLが世界最大の液晶パネルメーカーTCL華星を子会社に持つことも大きな強みだ。TCLのテレビにはTCL華星と共同開発した高性能パネルが組み込まれているが、TCL華星のスケールメリットを活かして低価格で調達できる。これによりTCLは大画面テレビの生産コストを大幅に下げることに成功したのだ。
上記ような理由からTCLは高画質の大画面テレビを低価格で販売することができる。一般庶民にも十分に手の届く価格になった大画面テレビは、この数年で急速に中国の一般家庭に普及した。そしてTCL製テレビの性能に満足したユーザーからの口コミが連鎖的に広がり、今回の618セールでの大躍進につながったようだ。
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