2022年11月11日、天猫の第14回双11セールが正式に幕を下ろした。しかしこの日に最も話題を集めたのは、セール開始の2009年以来初めて期間中の流通総額が公開されなかったことだった。
天猫関係者の非公式な情報によると、今年の双11セールの流通総額は昨年の5403億元(約10.5兆円)とほぼ同じ水準だったという。不安定な国際情勢や繰り返されるコロナによるロックダウンなどネガティブな要素が多い中で、マイナス成長とならなかったのは中国消費力の底力を見せたといえるかもしれない。
前述のように流通総額の公開は見送られたが、違った角度のデータは公開された。そのデータによると、今年の双11セールに参加したブランドは29万社に及び、商品数は2100万点を超えた。昨年までと比べても参加する企業やブランドの多角化が際立った。
セール開始から1時間で102のブランドが1億元(約20億円)の取引額を達成した。その中でもハイアール、ミデア、小天鵝、TCLなどの中国国産の家電ブランドはセール開始から1秒も立たないうちに1億元の大台を突破した。
商品分類に目を向けると、スポーツ・アウトドア、ペット用品、ホビー玩具、ジュエリーの4つの大分類で大きな伸びが見られた。これら4つの大分類では、358のブランドが1億元を、3434のブランドが1千万元の大台を突破した。さらに細かい中分類では、スマートフォン、ゲーム、アウトドア用品、犬用品、猫用品、シニア向け家具などは前年比20%以上の成長を遂げ、小分類では温冷美顔器や下着用洗濯機など148の商品分類が前年比100%を超える大きな伸びを見せた。
その以外に注目に値するのは、セール期間中に1633万人を超えるユーザーが『エコ』を選択したことだ。アリババの物流ネットワークである菜鳥驛站の『箱回収プロジェクト』では約600万個の梱包箱が回収され再利用された。アリババグループが運営する中古品売買プラットフォームの閑魚では700万人を超えるユーザーが中古スマートフォンの買取サービスを利用した。これらを合計すると地球上にある350万本の樹木に相当する量のCO2を削減したことになる。
参考までに昨年までの双11セールの流通総額は以下のように推移している。
2009年:0.5億元、2010年:9.36億元、2011年:33.6億元、2012年:191億元、2013年:352億元、2014年:571億元、2015年:912億元、2016年:1207億元、2017年:1683億元、2018年:2135億元、2019年:2684億元、2020年:4982億元、2021年:5403億元
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