淘宝では2024年に入ってから新規開業に関連する商品の取引量が増えている。コロナ禍以降低迷していた中国での起業熱は徐々に回復基調にあるようだ。そんな中、淘宝は2024年8月20日に『開業業態人気上昇ランキング』を発表した。シェア麻雀ルーム、日本風焼鳥屋台、セルフ洗車店、ホームバー、セルフドッグサロンが人気上昇トップ5に挙がった。このランキングは淘宝と天猫の関連するカテゴリーの取引量増加率を元に算出されている。
今年に入ってから淘宝や天猫では、日本風焼鳥用の三輪屋台や冷蔵ショーケースなどの取引量が前年比で600%以上増加した。上海でIT企業に勤める関さんは頻繁に日本風焼鳥屋台に行き、人気屋台などの情報にも詳しい。そんな関さんよるとサッカーの国際試合など大きなイベントがあるときは、どの屋台もお客さんで溢れていて席を確保するのが困難だという。ホームバー(homebar)というのはカウンター式の小規模なバーを指すトレンドワードだ。従来中国では大音量の音楽が流れるディスコのような場所でお酒を飲む人が多く、日本のように静かなカウンター式のバーでお酒を飲む人は一部の帰国子女なとに限られていた。しかし今年になって日本風焼鳥屋台やホームバーの開業が増えているというデータから、静かなカウンターでお酒を飲むという新たな習慣が中国でも広がりつつあることがわかる。
それ以外の上位にランクインした業態に目を向けると『シェアリングエコノミー』という起業トレンドが見えてくる。シェア麻雀ルーム、セルフ洗車店、セルフドッグサロンはどれも『シェアリングエコノミー』に属する業態だろう。従来人件費の安かった中国ではこのようなサービス業は比較的低価格で利用可能なことが多かった。しかし人件費の上昇が続く中、他の先進国のようにセルフサービスを導入し人件費を抑えることで、サービス価格を下げる必要性が高まっているのだろう。
同時に新規開業熱の高い地域のランキングも発表された。そのランキングによると、上海、浙江省、広東省、北京、福建省など東沿岸部の地域がトップ5に並んでいる。その他には東北三省や天津、山東省などがトップ10にランクインしているが、これらも全て東沿岸部にある地域だ。
淘宝で店舗用のネオン照明や看板を販売している王さんによると、新規開業業態の地域差は大きいようだ。王さんのお店は広東省にあるが、広東省からの注文は深夜営業屋台などの看板が一番多い。それに対しホームバーなどおしゃれなお店の看板は上海や福建省から注文が入ることが多い。また四川省成都は麻雀愛好家が多いことで有名だが、麻雀ルーム向け看板の注文が最も多いのは浙江省杭州であり、成都からの注文数のおおよそ2倍に及ぶという。
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