2022年双11セールの予約販売で、化粧品ブランド完美日記が販売額トップ20から姿を消した。完美日記はこれまで何度も販売額首位の座を手にしてきた人気ブランドで、今年の618セールの際にも販売額トップ20にランクインしていた。さらに象徴的なのは、これまで密接な協力関係にあった李佳琦のライブコマースでも、今年はこれまで完美日記の商品が紹介されていないことだ。
完美日記は2017年に誕生したZ世代の中国人女性の間で絶大な人気を誇ってきたコスメブランド。2018年12月に天猫の化粧品売上ランキングで初めてトップに立つと、2019年双11セールの際は化粧品ブランドとして初めて1時間での売り上げが1億元を突破するなど、群を抜いた人気を誇ってきた。2020年の双11セールでも合計売上額が6億元を突破してコスメブランド首位を守るなど、絶対的な人気を確立したように見えた。
しかし今年は大きく事情が異なった。淘宝、天猫、京東の総合データによると、双11セールの予約販売額1位2位はロレアルとランコムで、海外勢が独占した。トップ20に入っている中国国産ブランドはWINONA、PROYA、QuadHA、自然堂、相宜本草の5つだけだった。
短期間で完美日記の人気に火がついたのは、抖音(TikTok)、快手、淘宝直播などショート動画やライブ配信が流行するボーナス期の恩恵を受けたことが大きい。ショート動画やライブ配信の流行が始まった当初は競争相手も少なく、実店舗を運営するのに比べて圧倒的な低コストで多くのユーザーにアプローチできたのだ。
しかしショート動画やライブ配信を使ったマーケティングが広がり、競争相手が増えるにつれ、少しずつ歯車が狂ってきた。2018年から2021年まで完美日記を運営する逸仙電商(ヤッセン・ホールディング)の広告宣伝費はそれぞれ3.09億元、12.51億元、34.12億元、40.06億元だった。4年間で年間売上高に対する広告宣伝費の割合は2018年の48.2%から68.6%に上昇した。対照的にロレアルの広告宣伝費は15%~20%ほどに過ぎない。
逸仙電商は2019年に7356万元の利益を出した以外、2018年から今日に至るまで赤字が続いている。ニューヨーク証券取引所に上場している逸仙電商の株価も最高値は1株あたり25米ドルだったが、90%以上下落して現在は1米ドルほどになっている。今年の4月と9月には、株価が1ドルを下回り、ニューヨーク証券取引所から上場廃止警告を受けた。
今年8月、逸仙電商の共同設立者兼CEOである黄錦峰氏はメディアのインタビューで次のように答え、今後も変わらず化粧品業界で挑戦していく意思を示している。
『私は過去15年間この業界にしか携わっておらず、これからも人生をかけて化粧品業界に携わっていく。逸仙電商が創業20年を迎えるころ私は50代になっているが、十分な経験と経営力があれば、世界的な化粧品ブランドと対等に戦えるかもしれない。』
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