2022年10月24日午後6時、元スマーティザンCEOの羅永浩が淘宝で初となるライブコマース配信を行った。羅永浩は以前、『交個朋友直播間』という抖音のライブコマースチャンネルでメイン配信者を務めていたが、淘宝に”移籍”してライブ配信を始めることを発表し注目を集めていた。
淘宝での初配信となったこの日、画面切り替えや割引券配布の操作に戸惑うなど不慣れな様子が見受けられた。しかし1商品につき1~1.5分といった速いペースで商品を紹介していき、アシスタントとの掛け合いは『漫才のよう』に面白いと視聴者から賞賛された。
この日の視聴回数は2600万回を超え、配信中にフォロワーは110万人増加し、配信後の現時点でフォロワー数は250万人を超えている。この日紹介した商品は合計160件で、スマートフォン・生活家電・スポーツウェア・ダウンジャケット・ドリンクなど男性向けのアイテムが大半を占めた。取引総額は2億1千万元(約42億円)ほどだと推測されている。
羅永浩が抖音でライブコマースを行っていた時、交個朋友直播間のフォロワー男女比はおよそ9:1だった。また配信を通して実際に商品を購入したユーザーの男女比は約6:4で、こちらも男性ユーザーが半数以上を占めていた。
一方淘宝が2021年4月に発表したレポートによると、淘宝のライブ配信ではレディースファッションや化粧品など女性向けの商品ジャンルが上位を占めている。淘宝のトップ配信者である李佳琦が化粧品などを中心に紹介することからも女性ユーザーをメインターゲットにしていることが見て取れる。
10月24日にはその李佳琦も10時間にわたってライブ配信を行った。この日の視聴回数は4.56億回を超え、合計291件の商品を紹介し、取引総額は132億元(約264億円)ほどだったと推測される。この数字だけを見ると、この日が初配信となった羅永浩と淘宝で長年トップを走ってきた李佳琦との差は大きい。
しかしこの差を埋めることこそが今回羅永浩が淘宝に”移籍”した背景にある考えられている。デジタルや家電など男性が好む商品ジャンルでは長い間ライバルの京東が優勢を維持しており、淘宝がこれらのジャンルにテコを入れたい思いが見え隠れするからだ。
淘宝と抖音のライブコマースは性質が大きく異なる。抖音はショート動画サービスであり、ユーザーは娯楽として楽しむことを目的として動画を視聴する。一方、淘宝はショッピングサービスであり、ユーザーは最初から商品を探す目的で動画を視聴する。抖音がテレビを見るようなものならば、淘宝はウィンドウショッピングをするようなものだろう。羅永浩はこのような違いを超えて淘宝の男性ユーザー増加に貢献できるだろうか、今後が期待される。
羅永浩の淘宝でのライブコマースはこの日始まったばかりだ。双11セール期間中には10月31日と11月11日、残り2回のライブ配信を予定している。
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