2022年のコンシューマー向けARメガネ市場はRokid、雷鳥、OPPO、影目科技、シャオミ、Nrealが相次いで新製品を発表するなど非常に活況な年だった。そんな中、2022年9月21日、これまでビジネス向けARメガネに特化してきた亮亮視野が、創業8年目にして初となるコンシューマー向けARメガネ『聴語者』を発表した。
『聴語者』は聴覚障がい者や聴力の衰えた高齢者を主なターゲットにしたARメガネで、認識した音声を文字に変換してレンズ上に表示する。この『AR字幕機能』は聴覚障がい者などが生活の中で直面する様々なコミュニケーション上の困難を解決する。将来的には翻訳機能を拡充し、健常者が多言語会議や海外動画視聴などの際に利用することも想定しているという。
2022年に発売されたコンシューマー向けARメガネは大きく2つに分類される。Rokid、雷鳥、Nrealなどが販売しているのは、高視野角・高解像度の両目レンズを搭載し、100インチ級のユーザーエクスペリエンスを提供するエンターテインメント製品である。その一方でOPPO、影目科技、シャオミなどが販売しているのは、片目レンズや透明度の高いプリズムレンズを搭載し、ナビゲーション・音声翻訳などの機能を提供するツール製品だ。
これら2種類の製品間の販売競争も『コンシューマー向けARメガネ元年』の注目の的になっている。メディアが発表したデータによると、2022年第2四半期におけるRokid、雷鳥、影目科技、OPPOの販売台数はそれぞれ6000、4000、2000、2000台だった。また同期に新製品を発表したNrealの販売台数は4000-5000台であると推定されている。
厳密に言えば、エンターテインメント向けARメガネがやや優勢だが、全体的に見れば大きな差は見られない。同時期においてiQiyiのVRヘッドディスプレイの販売台数は17000台余りで、大きな差をつけられている。このような差がみられるのは、ARメガネは没入感の上ではVRヘッドディスプレイやプロジェクターに劣り、ナビゲーションや音声翻訳などの機能はスマートフォンに備わっているため、ARメガネが独自のスタンドポイントを確立できていないことが原因ではないだろうか。
このような状況のなか、これまでビジネス向け製品に特化してきた亮亮視野はなぜコンシューマー向け市場に加わったのだろうか。それは同社が聴覚障がい者などからのヒアリングを通して『AR字幕機能』に強いニーズがあると確信したことに尽きる。実際に『聴語者』は製品発表後3時間で当初準備していた1000台が完売した。購入者の中はできるだけ早く手に入れたいという思いから直接商品を受け取りに行こうとする者もいたというほどだ。強いニーズに答え、新たなスタンドポイントを開拓したARメガネ『聴語者』が今後どのような道を歩むのか要注目である。
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