スマートフォンの新興市場といえば多くの人はブラジル、ロシア、インド、アフリカなどを思い浮かべるかもしれない。しかし11の国にまたがり、アメリカの約2倍となる6億人以上の人口を抱える東南アジアでも、現在スマートフォン市場が急速に拡大している。このたび市場分析会社IDCが公開した東南アジアにおけるスマートフォン販売量に関するデータからもこの事実が明らかになった。このデータによると、東南アジアのスマートフォン販売数量は2016年第2四半期、期間販売数量は前年同期比で18.1%増加、年間販売数量は前年同期比で6.5%増加した。メーカー別の市場シェアでは韓国のサムソンが約20%で1位、中国のOPPOが急速にシェアを伸ばし約12%で2位につけた。それに続いてタイのTrue、台湾のAsus、インドのLavaが上位2社を追う展開となっている。
わずか数年前、OPPOはほとんど知名度がない小さなブランドだった。それが2016年第2四半期において東南アジアで2位、世界でも4位に入るスマートフォンブランドに成長した。年間の販売数量は136%増で、急速にシェア拡大を続けている。OPPOの国際モバイル部門の副総裁李炳忠氏は「東南アジアは我々にとって最も優先すべき市場です。他の地域と同様の方法で成功を収めることを目指しています。」と話す。
今回IDCが発表したデータにはアップルの名前が上がっていない。この点に関してIDCのジェンセン・オーイ氏は、アップルの一貫したハイエンド戦略が成長の妨げになっていると指摘する。「比較的価格意識が強い東南アジアにおいて、競争力のある価格と積極的な営業展開がスマートフォンの売上を伸ばす原動力となるでしょう。」実際に東南アジアで売上上位を占めるのはサムソンの「Galaxy J1 Mini」やOPPOの「Neo5」、ASUSの「Zenfone Go」などの廉価モデルだ。
今年度、東南アジアのスマートフォン販売数量は2800万台を超えたが、全世界の3.43億台の中で占める割合はまだまだ小さい。しかしインドネシアやタイ、ベトナムなど多くの人口を抱える国でスマートフォンの販売が伸びるにつれ、この割合も急速に増えていくことが予想される。
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