中国のモバイル決済市場ではアリババの支付宝(AliPay)とテンセントの微信支付(WeChat Pay)が熾烈な覇権争いを続けている。今年に入り支付宝は続々と海外進出を始めているが、微信支付も近い将来海外店舗に向けて開放されることが明らかになった。
微信支付は将来的には全ての海外店舗に対し開放される予定だが、現在は店舗を限定して試験運用を行っている。しかし現時点でも次の2つの条件を満たす店舗であれば申し込みが可能だ。その条件は現地に法人登記されていること、独自のホームページまたはアプリを持っていることである。
微信支付は、華南銀行やオーストラリアロイヤルペイ、香港通泰など国内外の数十社の金融機関と提携し国際決済システムを実現している。これにより微信支付のサービスは香港・マカオ・台湾、東南アジア、欧米、中東、オセアニアの20以上の国と地域で利用可能になる。
微信支付を利用すると、ユーザーは海外で買い物をする際に外貨両替が不要になる。会計のときにレジで微信の二次元バーコードを提示し、パスワードを入力すれば人民元で支払いが完了する。その後システムが自動的に現地通貨で加入店舗に支払いをする。現時点で微信支付の国際決済は米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円、カナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、香港ドル、韓国ウォンの9つの外貨に対応している。
微信支付は国際決済業務に関して徹底的な開放戦略を続けていくことを表明している。同社は基礎システムのみを提供し、実際の運用などは現地の事情に詳しい提携企業に委ねていくという。
テンセントの2015年第3四半期の決算報告によると微信の月間アクティブユーザーは6.5億人に達している。このうち約60%のユーザーが微信支付を利用できる環境にあるという。
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