2015年も半分以上が過ぎたが、中国のEC市場は全体として穏やかな推移となっている。相変わらずB2C分野の淘宝、天猫、京東の3大巨頭が上位をキープしている。「2015上半期中国家電EC販売分析报告」によると、上半期の大掛かりな販促活動によって京東の売上高は家電のネット販売において、シェア60%を占めるまでに至っている。この結果、京東はシェアを2%伸ばし、天猫は4%減らした。残りのシェアは蘇寧易購や国美存線など路面店舗の2大企業が運営するECサイトが埋めている。1442569993392666.jpg
このランキングにおいてB2B企業に比べB2C企業が依然として優勢だが、この状況は少しずつ変わりつつある。IDG(International Data Group)の共同ファウンダーである熊曉鴿氏は、次世代のBAT(※1)はB2C企業一色にはならず、B2Bの起業家には大きなチャンスがあると予測している。2015年はB2B企業が爆発的に成長する最初の年になるだろうと話す業界の人もいる。投資家にとってもB2B分野は魅力的に映り、2015年上半期に多くのB2B企業が多額の投資を受けている。それとともに「インターネット+」の時代がやってくる。インターネットの基礎的な部分は完成しつつあるため、今後インターネットを専門とする人材がますます伝統的な業種で働くようになる。その結果、伝統的な企業はインターネットの技術を利用して、自社の更なる発展を加速していく。このように、多くの伝統的な企業がインターネットに触れることは、B2B企業にとっては千載一遇のチャンスといえる。B2B分野は中国ECにおいて次のブームになる可能性が高い。
O2O(※2)は近年ECの新しい兆候だったが次第に大きな動きになってきている。多くのO2O企業が出現しているだけではなく、B2C分野のIT企業も続々とO2Oの領域で事業を始めている。その中でも餓了么や百度外売などの飲食分野のO2Oは既に隠れた存在ではなくなってきている。確実に言えることはO2Oのサービスは確実に人々の生活に入り込んできているということだ。ただし同時にO2Oに進出する企業が大量に出現しているため、この分野での競争は今後異常なほど激化するだろう。
※1 百度(Baidu)、アリババ(Alibaba)、テンセント(Tencent)の中国3大IT企業の略。
※2 Online to Offline。ネット上(オンライン)からネット外(オフライン)のリアルな購買へ促す分野。
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