2016年6月29日、アリババは故宮博物館と戦略的提携の合意に至ったことを発表した。今回合意した内容によると、故宮博物館はアリババが運営する天猫や阿里旅行に公式ショップを設け、入場券・記念品・出版物の販売を行うことになる。
入場券販売において、故宮博物館は阿里旅行の公式ショップで、独自に開発した電子チケットを販売する。双方のバックエンドシステムは連携しているため、公式ショップで入場券を予約したユーザーは現地で紙のチケットに交換する必要はない。二次元バーコードや二代身分証(ICチップの入った身分証)を使って、列に並ぶことなく入場できる。
故宮博物館の記念品部門は天猫に公式ショップをオープンする。以前、故宮のファンが作った「故宫淘宝」が話題にのぼったが、公式ショップはギフト、生活雑貨、デザイングッズなどの販売が充実しており、非公式の「故宫淘宝」とは一線を画す。
それに加え、故宮博物館の出版部門も天猫に出店する。故宮出版社が数十年にわたって出版してきた出版物から選りすぐりのものをジャンルごと分けて販売する。
故宮博物館はアリババと提携することで、故宮がより人々の生活の中に入っていき、多くの人々が皇室文化を目にする機会を持つことができると考えている。
一方、アリババにとって今回の故宮博物館との提携は、阿里旅行が提唱する「未来景区(未来の観光地)」の一環だ。未来景区は、螞蟻金服が推し進める芝麻信用ポイントに基づき信用のあるとされたユーザーに対して、より良い観光体験を提供することを目指している。芝麻信用ポイントが600に達しているユーザーは未来景区を訪れるとき、入場口で二次元バーコードをスキャンしてすぐに入場できる。入場料はユーザーが入場してから24時間以内に自動的にユーザーの支付宝アカウントから引き落とされる。
今年に入って阿里旅行の未来景区はより計画が加速し、よりその全貌が明確になってきている。つい最近も広東省などで複数の大型レジャー施設を運営する長隆グループと提携を果たしたばかりだ。今後、長隆グループが運営する施設も未来景区に加わることになる。阿里旅行の発表によると故宮博物館は200件目の未来景区となった。
中国国内の入場券市場の競争は熾烈だ。昨年、同程は各地の入場券を1元で販売するイベントを行い、入場券市場の価格競争に火をつけた。阿里旅行が故宮博物館との提携合意を発表した数時間前に、驢媽媽は南潯古鎮や黄山などの観光地と提携合意に達した。中国内の観光産業が拡大するにつれ、多くの企業が観光地の争奪戦に参加している。今後もその競争はより一層熾烈になっていくだろう。
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