9月27日、携程が上海東方匯融信息技術服務有限公司の完全子会社化を通して、決済サービスのライセンスを取得する予定であることを発表した。このニュースを受けて、米ナスダックに上場している同社の株価は8.65%上昇した。携程の株価は年初来安値と比べて40%近い上昇をしている。
2016年、中国の中央銀行である中国人民銀行は、当面の間決済ライセンスを新規発行しない意向を示した。そのため大手ネット企業の間で既に決済ライセンスを取得している会社の買収競争が繰り広げられた。ここ数年、京東・美団・字節跳動といった企業が相次いで買収を通して決済ライセンスを取得してきた。外部の会社を通して決済サービスを提供する場合、コストがかさむだけでなく、取引情報が流出するリスクをはらんでいる。そのため決済ライセンスを手中に収めることはネット企業にとって非常に重要なことだ。
2017年、携程は当時発行していたプリペイドカードがライセンスを必要とする金融取引に該当するのではないかとユーザーから通報を受けた。その後中国決済協会がこの通報を受理したことで、携程の株価は大暴落に陥った。
今回携程が決済ライセンスを取得することは、このような予期せぬリスクを減らすとともに、コロナウイルスの危機から復活しつつある中国旅行業界において、他社を引き離す鍵になるかもしれない。それに加え、携程はホテルや航空券の予約だけではなく、Eコマースの分野にも足を踏み入れている。先日行われた中間決算発表の際、過去6ヶ月の間『BOSS直播』というライブストリーミングを通して17億元以上のEコマース取引があったことが判明した。このことからも携程にとって決済ライセンス取得が早急な課題だったことがわかる。
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