京東商城はヤマトホールディングスと提携し、日本の商品を最短4日で中国の消費者へ届ける越境ECサービスを2016年5月から開始することを発表した。日本から中国への輸送および中国の通関手続きはヤマトホールディングス傘下のヤマトグローバルロジスティクスジャパンが、中国国内での配送は中国郵政が担当する。
このサービスではヤマトが複雑な中国の通関手続きを代行することで配送期間の短縮を実現する。これまでもネットショップが提供する越境ECサービスを通して日本製品を個人輸入することは可能だったが、注文から配送まで平均8日かかっていた。
それに加え、ヤマトは上海の保税地区にある倉庫を活用し、増値税や輸入関税などの輸入コストを抑える。化粧品を例にとると、ネットショップが単独で行う越境ECと比べて、20~30%のコスト削減になる見通しだ。
京東は中国のEC市場で約20%のシェアを占め、アリババに次ぐ2位につけている。中国では中間層の購買力が高まるにつれ、化粧品や消費財など日本製品の人気が高まっている。京東はこの需要を取り込むためにモール内に「日本館」という特設コーナーを設け、日本企業の出店誘致を積極的に行っている。
中国政府による税制変更も越境ECサービスに大きな影響を与えている。中国財政部は越境ECサービスが増加していることを受けて、4月8日から個人輸入に対する課税を強化する。商業輸入との公平性を保つために、個人輸入の免税範囲が削減される。この新しい税制によって、ネットショップが独自に行ってきた越境ECサービスは打撃を受ける。しかし京東とヤマトが提供するサービスには追い風となるだろう。
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